梅雨明けにしておきたい自転車のサビ対策

今年もそろそろ本格的な夏が始まろうとしていますが、長梅雨の雨降りで自転車とも無沙汰だったという方も多いのではないでしょうか。
そして、夏本番となれば、自転車走行中に雷と共に急な雨に降られることもあるかと思います。
予想のつかない天候の変化には、自転車の走行もままならないこともあり、いざという時のために常に自転車は整備しておきたいものです。
そこで今回は、梅雨の雨降り続きで整備をしていなかった自転車整備、特にサビ対策についてご紹介していきます。

自転車は放置すると、知らず知らずのうちにサビが出る

自転車は乗らずに置いておくと、自転車の本体(フレーム)は錆びていなくても、それ以外の部分がサビたりすることがあります。自転車にサビが出てしまうメカニズムは、降った雨が自転車についてそのまま放置されると、空気中の酸素と反応して金属部分が茶色や黒色に変化します。それを「サビ」と呼び、いわゆる金属が腐食し始めているということになります。自転車自体に直接雨が降り注がなくとも、自転車の周辺は湿気が多く、朝晩の冷え込みでそれが水滴となり自転車に付着しますので、屋根の下に自転車を置いているからと言って安心はできません。
サビは、きれいな自転車の塗装の見た目を悪くさせますし、チェーンやギアなどがサビ付くと衣服を汚してしまうだけでなく、最悪走行不能な状態にもなりかねません。

特に、サビたことでギアとの噛み合わせに不都合が生じ、変速がスムーズにいかないとか異音がするようでしたら、自転車全体のサビチェックを行ってみてください。
また、ブレーキやギアシフトなどに使われているワイヤーも、サビが出やすい部分ですので要チェックポイントです。
ワイヤーは、サビが進行すると切れることもありますので、もしも走行中にその様な状態になったら大惨事になりかねません。
最後に気をつけたいのが、金属丸出しになっているネジ類部分のサビです。
ネジがサビつくと、ネジを回すために力を入れてしまい、ネジ山が潰れてしまうこともあり、そうなるとそのパーツ部分の取り外しや交換も、簡単にはできなくなってしまいますのでネジ山部分のサビには要注意なのです。

サビの落とし方(軽度な場合)

「少しサビついているな」と言う場合は、市販の潤滑剤である呉工業の「KURE 5-56」などを使用する方法がおすすめです。
スプレーするだけで、サビにじんわりと浸透してサビ自体を浮き上がらせてくれますので、あとは布でサッと拭き取れば、軽度なサビはこれでほぼ落とすことができます。
「KURE 5-56」は、スプレーをすると強い浸透力で、金属表面の水分を置換して薄い被膜をつくってくれますので、金属の防サビやサビ取りにもおすすめです。

サビの落とし方(頑固なサビの場合)

頑固なサビを取るのに必要なものは、防サビスプレーとスチールブラシ、サビ落とし専用の研磨剤にタオルや雑巾、手の油汚れと手を怪我から守るための軍手、そのほかにはマスクとゴーグルを用意しましょう。
マスクやゴーグルは、スプレーを使う時に防サビ剤が口や目から体内に入らないようにするためですので、軽度な場合も用意されることをおすすめします。
スチールブラシで、サビを大体落としたところで、サビ落とし専用の研磨剤を使って残りのサビを取り払っていきます。
最後の締めくくりは、防サビスプレーをかけて仕上げましょう。
ブラシで擦った部分に、もし浅い傷やこすりムラのある場合は、研磨剤入りのサビ取りクリームや200番台の紙やすりで丁寧にならすように仕上げましょう。

大事な自転車の保管場所とメンテナンス

自転車の置き場所は室内保管がベストですが、屋外にしか自転車を置くスペースがないこともあると思います。
そういう場合は、自転車のサイズに合わせた専用のビニール製のカバー(サイクルカバー)を掛けて保管しましょう。
サイクルカバーで保護することで、愛車をいつもきれいな状態に保つことが可能ですので、是非ご用意ください。
サイクルカバーは自転車を雨から守るだけでなく、紫外線によるタイヤやサドル、そして他の樹脂類部分の劣化を防いでくれます。
雨避けのためにかけたサイクルカバーは、雨が上がった時点で外して乾かし、自転車の水滴を拭きとってから、必要な個所にオイルを注入し再び乾いたサイクルカバーをかけておきましょう。

まとめ

梅雨明けを迎え、久しぶりに自転車に乗る場合は、自転車のチェックを必ず行ってください。
自転車を屋外や雨が吹き込むような場所に置くと、もしかするとチェーンやギアなど駆動部分にもサビが出ている可能性もあります。
普段から、サビ防止のために金属部分にオイルを薄く塗っておき、なるべく雨や風にさらされない場所に自転車を保管しましょう。
一度サビが発生してしまうと、完全にサビを除去するのはかなり難しいので、日頃のお手入れを念入りにされることをおすすめします。